アクアアスリートって何??

アクアアスリート&パーソナルスイムコーチ 平野 修也 Official Blog

話題の指導用透明マスクを検証してみました。

6月に入りスポーツクラブやスイミングスクール、各水泳場の営業が再開となり、どこのスポーツクラブやスイミングスクールでもレッスン時には透明マスクを着用しての指導をしているかと思います。


業界的には透明マスクでも〝プールマスクマン〟と〝手作り透明マスク〟の大きく2タイプが導入されていますが、今回はプールマスクマンと手作りマスクを両方使用して使用感を比較してみました。


どちらも〝飛沫防止〟がコンセプトであり
指導者向け〟のアイテムです。


最初に指導する上で
このアイテムのコンセプトから外れる〝泳ぐ〟ことは除外とし、サイズについてはプールマスクマンはフリーサイズの1サイズ展開。手作りマスクは100均で購入出来るアイテムを使用し、サイズは一番大きいLサイズで簡単な比較検証しました。



検証は大きく二つ

①陸上での指導
②水中での指導


①陸上での指導
プールマスクマン、手作りマスク
どちらもほぼ同じ感じでした。

指導する際の声がこもるので少し大きめの声を出さなければならない

動いてもズレにくい

多少の熱はこもる


陸上での指導対策としては
小型トラメガなど導入してもあり?
熱がこもるので、定期的に指で隙間を作り熱を逃す


②水中での指導
基本的な部分については陸上での指導とほぼ同じでしたので、水中ならではの部分について。

水がかかっても呼吸や指導は問題なし。

陸上に比べ動きが大きくなりやすいがズレもほぼなし。


水中指導について声がこもる問題は
生徒や選手との距離を取りつつ、指で多少の隙間を作って指導すると声は通りやすい。
飛沫防止の観点からも正面への飛沫は防止出来ているのでコレはアリではないかと思います。



水中指導で潜る場面(ブクブクパーやボビングなど)
こちらに関しては差が出ました。

どちらもズレないように〝しっかり〟とゴム紐をキツくしてしまっていると顔に密着してしまっていて〝空気孔が小さい〟為に、水から上がった瞬間の呼吸で水と共にマスクが顔に張り付いてしまいました。


どこで差が出たのか?
〝空気孔が小さい〟ことが問題だと考え、少しゴム紐を緩くして試してみた結果、どちらも水の抜けは良くなったものの手作りマスクについてはやはり顔に張り付き呼吸が出来ない。


家に帰り正面と横からの写真を撮ってみたところ…その差が出た原因なのかな?というポイントを発見しました。


①:鼻のセンターライン上の隙間の有無
プールマスクマン:隙間○
手作り透明マスク:隙間△

②:形状的に鼻〜口周りの空間が広いか狭いか
プールマスクマン:広い
手作り透明マスク:狭い

③:②により頬に張り付く面積が広いか狭いか
プールマスクマン:狭い
手作り透明マスク:広い


恐らくこの3点の差が
潜って出てきた際の一呼吸目の差として出たと推測されます。


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プールマスクマン(横)

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手作りマスク(横)

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プールマスクマン(正面)

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手作りマスク(正面)



あと、個人的に違いがあったと感じた点が2点
○厚み
○素材(硬さ)


〝プールマスクマン〟
1mmと厚みがあり形状を崩しにくく作られていながらも絶妙な柔らかさがある。厚みがある分、指や顔に傷が付きにくい。


〝手作りマスク〟
恐らく0.2〜3mm。ソフト素材のものを購入しましたが、柔らかいは柔らかいのですが〝薄さ〟により柔らかいと感じていた部分もありました。
薄いことで指や顔へ傷が付くリスクはプールマスクマンより高そうです。


手作りマスクに関しては
ホームセンターなどで好みの素材や厚みを購入して作成しても良いのかな。と。
また、プールマスクマンのような鼻〜口周りの空間が出来るような形でのカスタムも手作りでも出来なくはないとは思います。ある意味手作りマスクは自由度が高いので、サイズから素材、形まで自分で作れるところがポイントになりますね。



検証した結果

どちらにしても指導における前方への〝飛沫防止〟は出来ますし、水が飛んできて濡れても呼吸は出来ます。しかし、潜る(ブクブクパーやボビングなど)となると上がってきた際に水を飲みやすかったり呼吸がしにくい一面はどちらにもありますので、少しゴム紐を緩め隙間を作るなどして、水の流れを良くする工夫は必要になりますね。泳ぐことに関しては個人的には推奨出来ません。


デモで泳ぐならば、マスクを外した状態で生徒や選手から離れたプール中央などから泳ぎ出し、ターンをして戻ってくる。などで対応出来ます。



結論

前方への飛沫防止をコンセプトのアイテムとしては大きな性能差はなくどちらも問題はない。
〝付け心地や呼吸のしやすさ〟を求めるのか〝コスパ〟を求めるのか。優先する方で選んでも間違いではないと思います。


あくまでも指導用のアイテムなので泳ぐことを目的としていない為、正しい使い方をしなければどちらのアイテムでも事故は起こりますのでその辺を理解した上で使用してください。
また、飛沫防止をしつつ使いやすいように工夫することも指導者としての〝仕事であり能力〟でもあるのかと思います。指導者としてやらされてる仕事ならば生徒や選手をより良くする為の導く指導をしていないでしょう。(所謂マニュアルさん)生徒や選手の事を考え、楽しんでもらいたい、上手になってもらいたい。そう思っている指導者なら指導や接し方、話し方など様々な工夫をしているはずですので、アイテム一つにしてもどう使うか?の工夫も出来るはずです。


こんな状況だからこそ
施設を使えるというだけでも感謝しなければなりませんが、それと共に感染を拡大させない為にも皆んなで協力していかなければならないと思います。〝批判は誰でも簡単に出来ます〟が、あるものをより良く使う為の工夫の共有などもしていければ本家のプールマスクマンを超える手作り透明マスクが出来るかもしれません!批判する方も中にはいらっしゃいますが、それなら自分で商品化してみるのも一つの手段だと思います。


微力ながらもこのプールマスクマンの開発に携わった(原案を立てた身としての)経緯もあり、
手作りがダメという訳ではなくもっと改善すればより良いものになる可能性があるし、コスパを抑えたい指導者も嬉しいと思いますので、全国の指導者の皆様の知恵でより良い指導形態やアイテムの使い方を発信して共有出来ればという想いがあり、今回簡単ながらも比較検証をしてみました。


最後に何度も言うようですが、正しい使い方をしなければ事故に繋がります。検証や改良などにつきましては〝各自の自己責任〟で行ってください。


まとまりもなく長々と書いてしまい分かりにくかったかもしれません。最後まで読んでくださった皆様に感謝いたします。