異論 反論 賛否両論? 平野的指導について
今回は僕が現在監督をさせて頂いてる
帝京大学での指導についてお話したいと思います。
今回は長くなります(5〜6分程度)
ご了承ください🙇♂️
さて、タイトルにもあるように
なぜ異論、反論あるいは賛否両論があるのか?
水泳の指導者(監督)という立場でありながら
スイム指導はほぼ行っていないからなんです。
いったい、どのような指導をしているのか?
現時点でこれは指導者なのか?監督としてどうなのか?
と感じてる方もいらっしゃるかと思いますが、一つのスタイルとして参考にして頂けたらと思います。
大学水泳で全国を目指す
帝京大学は男子選手がほとんどなので男子ベースで話をします。
関東学生連盟に加盟している大学。チームとしては関東2部に属していて、2020シーズンは1部昇格を目指しています。
帝京大学はラグビーや空手、駅伝など大学が力を入れているスポーツも多く
そのような強化部に指定されている部活はスポーツ推薦が採用されています。
水泳部は強化部には指定されていないので
スポーツ推薦はありません
また、関東1部(いわゆる強豪校)でない為
全国区の選手が入ってくる可能性も低いのが現状です。
ザックリとではありますが
関東学生選手権に出場するチームの戦力を説明します。※個人的な見解
1部校
各種目日本選手権(Japan Open)出場レベル最低1名
以下レギュラーはインターカレッジ出場レベル
2部校
日本選手権(Japan Open)出場レベル数名
インカレ出場レベル5〜10名
3部以下
全体的に割合が下がる
こんな感じだと思います。
帝京大学水泳部に入部してくる学生たちは
殆どの選手が全国大会未経験あるいは数回出たことがある。というようなレベルの選手たちになります。
全国大会に出場したことがある選手でも
小学生や中学生の時など
まだ成長期において出場した選手たち。
そのような選手たちを大学水泳で全国大会(インカレ、Japan Open、日本選手権)に出場させるにはどうしたら良いのか?
今までと同じことをしても結果を出せるのか?
思うような結果を出せずに高校時代まで水泳をやってきた選手たち。
大学に進学してまで水泳を続けるのは
少なからず水泳が好きだからだと思います。
しかしながら、結果が出なければつまらないもの。
そこをどのように突破させるか?覚醒させるか?
前述したように
成長期において全国大会に出場した選手もいる
この成長期というのが曲者で…
身体の成長があれば基本的には特別なことをしなくてもパフォーマンスは上がりやすい。
それを練習を頑張ったからと勘違いしてしまうと成長が止まった後
伸び悩むことになります。
ではどうすれば良いのか?
〝考える力〟
〝意識する力〟
〝行動する力(チャレンジする力)〟
〝受入れる力〟
これらを基礎に置いた上で練習やトレーニングをすることが覚醒するキッカケになると考えてます。
考える力とは
どのようにパフォーマンスを上げるか?何かヒントはないか?のように様々なことに疑問に持ち、その先まで結びつける力
意識する力とは
陸上だろうと、水中だろうと、身体のセンサーを敏感にする力
行動する力とは
とにかくやってみる。疑問に思ったら調べてみる。そんな力
受入れる力とは
理想と現実。自らをより正確に近い状態や現状を受入れること。
これらのベースをほぼ毎回刷り込んでます。
殆どの選手は
練習を頑張ればパフォーマンスが上がる
と思っていて、実際はそれほど深く考えたりせずに練習に取り組んでいました。
自分自身を知ること…
現状の自分を受入れることから始まり
パフォーマンスの高い選手との差を分析したり
真似をしてみたり
高校までとは比べものにならないほど
様々な意味合いで情報量が増えていると思います。
ここまでが基本的に指導のベースというか
ほぼ毎回意識的に選手たちに伝えてる内容。
ちなみに…
僕自身は選手たちにアレコレとスイムスキルについて自らアドバイスすることはあまりありません。メニューについては学生コーチや選手が考えてます。
何故ならば、一方的に言ったりアドバイスをしても理解できなければ意味がないから。
だからこそ上記のベースが必要になってくると考えてます。
現状を受入れる
考えられるようになる
意識できるようになる
行動できるようになる
そうすると、自然と聞いてくるようにもなりますし
選手自身が自然と色々と試したりするようになります。
質問や相談をしてくる分には
僕の引き出しの中からアドバイスや提案をしますが、僕が対処できないものであれば僕の知っている専門家を紹介したり。
僕自身の指導レベルが高いかと言われたらそうでもないですし、選手としての自身の向上の為に色々なことを調べ試したり経験したりしたものでしか自信を持って伝えることができないので、わからない領域のことは外注したりしています。
これが僕の指導スタイル。
賛否両論あると思いますよね笑
大学水泳のその先
パフォーマンスを上げるだけならば
言い方は悪いですが頑張らせるだけ頑張らせる
と思います。精神的にも追い込むだろうし。
しかし、帝京大学水泳部だけでなく
殆どの学生は4年あるいは3年の夏で引退し
大学卒業後は社会人として企業などで勤務することになるでしょう。
そう考えた時に社会人にとって必要なスキルってなんだろう?
と考えた時に前項で述べたスキルなのではないかなと。
よく言われる
四年間体育会で培った根性
いや、まぁあるに越したことはないですが…
それ以上に
考える、意識する、行動する、受入れる
これらのスキルは根性より必要性が高く、選手自身の自立・自律や自主性といった部分の向上は鍵になると考えてます。
大学水泳を通じてそれらのスキルの使い方を学ぶことで
結果的にパフォーマンスが上がる。
そして社会に出た時に少しでも役に立つスキルとして身になっていればという気持ちもあってこのような指導スタイルをしています。
大学卒業後
マスターズでも現役でもリーマンアスリートとして続ける選手もいる?かもしれません。
それはそれで一水泳仲間として嬉しいことですが
何より彼らが社会人になってから帝京大学水泳部で良かったと感じてもらえる何かを伝えられたらという想いです。
そういう意味では指導をする上で
指導者が選手を育てるのではなく…
選手自らで成長するキッカケを与える
ことを一番意識しています。
おわり
No fun , No gain !!